同じもの、10年前も探しました。
港に、車を預けさせられました。
まだ出港の5日前だというのに。
気が早くないですか?
それとも、ソ連時代の名残りで仕事が遅いのかな。
あるいは、5日間もかけて車を調べるつもりかもしれませんが、ナニもでていませんよ。うちの車は洗車していないから内外とも汚いけど、遵法精神的にクリーンです。難癖をつけられやすい薬類は全部出したし。
朝の9時、港のゲートでフィクサーのユーリ氏と待ち合わせ。

フィクサーとは、役所と民間の橋渡しをしてくれるエージェントのことを言います。車旅をすると、たびたびお世話になります。
書類を渡し、数百メートル離れたカスタムへ。
車を渡す寸前に、シャシーナンバーを見せろと言われました。
えっ、シャシーナンバー?
それってどこだっけ?
どこだっけ?
どこだっけ、どこだっけ?
10年前も同じことを言われて死ぬほど探したんですが、まったく思い出せません。
こういう大事なものは隠さないで、目立つところに大きく刻印してください!
今日の支払いは、
- 港湾使用料 59,000ルーブル
- 通関料エクスポートカスタムズクリアランス 150米ドル
- ユーリさんの手数料 3,000ルーブル
ロシアの物価は安いけど、こういうところやたらとお金がかかります。ヨーロッパなら入国無料なのに。
関係者以外立ち入り禁止区域のゲートの前で待たされます。
やがて迷彩服を着た屈強な軍人がやってきて、挨拶もせずにスマホで軽自動車を撮影。犬のうんこを見るような目つきでボクらを見たあと、何も言わずに運転席に乗り込み、全身を小さくしてエンジンをかけ、振り返る事なく港の奥に消えました。
Vベルトのきゅるるるるーという音を残して。
娘を攫われたような気分です。