渋谷駅にアルピニストがいた。
JR渋谷駅の階段の下に、よぼよぼのお爺さんがふたりいて、
「の、登れるかな?」
「ゆっくり行こうよ」
「はぐれても、上で会おうね」
アルピニストみたいなこと、言ってました。
頑張れ、おじいさん。
いよいよ明日、出発となりまして。
朝早くから荷造りをしないと間に合いそうにないのに、昨夜は2時すぎまでNetflixの「ある日」を観てたもんだから眠いのなんのって眠い。
前回は、5本ものタイヤをどうラッピングして飛行機に乗せるか&空港まで持って行くか問題でハゲりそうになったものですが、今回はより難題です。
折り畳み机と、組み立て椅子と、車のガラスと、雑多な小物類をひとつにまとめ上げること。
ダンボールを寄せ集めて、切って貼って日比野克彦のようにひとつの作品に仕上げること。
基本料金内に収まるようよう小さく。そんなことできますかね?
Mちゃんに借りたキッチン道具を返しに、台車を引きずって三軒茶屋まで散歩。
炎天下の真っ昼間に。そしたら、
「あ、忘れ物しちゃった、ちょっと家まで戻るね」
戻ってきて歩いていると、あ、ほかにも忘れ物があった! また、家に戻るね。
の連続でして、やっとのことで無事に荷物を届けたと思ったら、あ、コンセントを持って来るの忘れた。
あ、お玉もだ。
スプーンも忘れた……
AさんKさん家を訪ねて、ダンボールを渡して、
「これ、次回帰国するまで預かっててくれませんか?」
図々しいお願いをしました。
その挙句、晩飯に『とんき』のとんかつをご馳走になるという暴挙です。
お世話になります。
「とんき」といえば、20代のころ高田馬場店に通ったもんです。と思ったけど、30代だったかも。
とんきのおやじさんは、時間が止まるくらい静かに厳かに油に肉を沈める様子が芸術的なんだけど、いつも指も油に漬かっていて火傷するんじゃないかと心配したものです。
このかりかりの衣、二十数年ぶり。
AさんKさん&フリーダカーロのTさん、ヨーロッパでお待ちしております。