知らない娘さんが、お尻を突っ込んできた。
昼飯は、名もしれぬ町のタジン。
少年に30分でできるから待っててって言われてそのまま1時間以上も放置されたけど、ま、いいや。それが旅ってもんです。
食べ終わってお勘定をお願いしたら、160MAD(2,000円)だって言われまして。
高くね?
え、そうかい?って言ったあとで、90MAD(1,170円)に下がりました。
名もしれぬ町の名もしれぬ親父、信用ならんです。
引っ越し先のキャンプ場で、
「おー、久しぶりじゃん!」
って声をかけられました。
5年前に来てたよねーって。
この顔を覚えてるの?
東アジア系の男としてはもっとも特徴のないステルス顔なのに。すごい記憶力ですね、ボクはおじさんの変な顔、ぜんぜん覚えてないけど。
Yukoとベンチに座ってパソコンしてたら、ボクらの間に座る娘さんがいまして。
わざわざ。
狭いのに。
無理やりお尻を入れてきて。それがけっこう大きなお尻で、ぐりぐりと肉弾攻撃。
なんなのあんた?
って訊く前に訊かれました。
あんた、この人(Yuko)を指差して、お父さん?
夫です、同じ歳です、高校の同級生です。
途中からマレク嬢が加わって、休みなく話しかけてくるんですよ、フランス語かアラビア語で。
こっちは英語かスペイン語か日本語だから、5カ国後が飛び交う国際会議です。
なに言ってんだかさっぱりわからんけど。
今晩のキャンプ場は、海の前。
崖っぷち。
そういえば、屋根に9本もタイヤを積んでいます。
海まで歩いていけるけど、プール付きのキャンプ場。
泳がないけど。