ギリシャの初夜は、レストランの駐車場です。
ギリシャに入ると物価が高くなるだろうから、少々早いけどアルバニアでオイル交換しときます。
国境のあっちとこっちの物価を比較して買い物をするあたり、ボクらも賢くなりました。
「貧しい国ほど車の修理工場が多い」の法則がありまして、案の定、あっちこっちに自動車整備工場。油っぽいです。Yukoの女の勘に従って、日本人の旅人が誰の案内もなしでやってくるなんておかしいだろ!って突っ込まれそうな、辺鄙な住宅街の砂利道の先の工場へ。
「こんにちは、日本から来ました。オイルとオイルフィルターを交換してくれませんか? オイルは持ってないので、普通のでいいです。普通と言ってもこれからギリシャへ行くので、そこんところを考慮してね」
って言っても、おじさんの英語力は中学1年の夏休みごろ。こっちは中学2年の2学期くらい。ぜんぜん伝わってる感がないだけど、なんだかんだと話していると魂が触れ合うってもんです。
こっち来いよと裏庭に呼ばれました。
みかんの木。
「好きなだけ持ってけよ」って。
ごっつぁんです。
そのすぐ後で近所のおじさんがやってきて、お、なんだこいつら見ない顔だな、え、日本人? そっかー、じゃ、これ食え!ってみかんをくれました。
アルバニアの友情は、みかんです。酸っぱくて甘い。
無事にオイルを交換したあと、ガソリンスタンドに行ってお茶を飲み、そこの紅茶が意外にイケるってんで店内で同じお茶の粉を買い、残ったお金でガソリンを購入。有金を使い切ってから国境を越えるなんて、ボクらも賢くなったものです。
ギリシャの国境事務所で、
「保険は?」
って訊かれて、それだけは訊かんといてーっ言うわけにもいかず、正直に、実は入ってないんだよねーと告白したら、んじゃ、ここでお金を払えって。
なんだ、国境で保険に入れるんだ。
ひと月間で180ユーロ(24,283円)。
1日800円ってところです。
わざわざオランダの会社から通販で買わなくてよかったです。
夕方、チェックインしようとしたキャンプ場が倒産したみたいで、泊まれず。
かといって、国境からさほど走っていない僻地なものでほかに宿泊施設がない。あてもなく野宿先を探して山の中を彷徨い、レストランを見つけて駐車場泊させてもらいました。
一宿の恩は一食で返す。
レストランで、ホルモンの濃厚スープにラムスープを晩飯に。ワインも少々。
「旅々、沈々。」の129カ国目は、ギリシャでした。
年末年始はどこかの島で、エーゲ海します。
南に向いてる窓を開けたり閉めたりするつもりです。